もし自分が死んだら骨は海にまいてよ。そしてさ、仲の良いメンバーを集めて俺のことを思い出す食事会でも開いてよ。もちろん俺のお金で。そして余ったお金に対しては自然を保護する団体にでも寄付しておいてよ。
こういったやりとりをもしかしたらしたことがあるかもしれません。しかし残念なことに通常の手続きであればこれを行うことができません。これには大きな問題が2つあります。
一つは亡くなった方の遺体を引き取るときに資格は親族等に限定されるからです。そのため遺体を引き取ることもできず、火葬もできないので散骨することもできません。
そして二つ目はお金の問題です。通常、個人の所持しているお金は個人の自由に使えます。だから自分が食事会の費用を出したいと思うのであれば、それの費用を出すことは難しくないような感じがします。
しかしそれは間違いです。
なぜなら死亡するとその人の持っていた財産は相続人の財産になるからです。処分する権限が相続人に移ってしまうわけです。そのため生前にお金の使い方についての意思を有していたとしても公に分かる形でその意思を残していないとそのようなお金の使い方をすることができないのです。
この問題を解決するのが死後事務委任契約です。