ある住職のお話です。仮にその住職をAさんとしましょう。Aさんは人間味があり、非常に温かい人でした。何回かお酒を酌み交わすこともあり、Aさんに死生観についていろいろと聞くことができました。
ある住職のお話ある時そのAさんが話してくれたのは余命宣告をされた知り合いの住職を見舞ったときの話でした。 その入院されていた住職は
「おい、Aくん、ワシはこの一週間水だけで生きてるぞ。」
と語ったそうです。
このエピソードがその住職の死に対する心の強さを示しているようにも思えますが、詳しいところは測りかねます。ただこのエピソードからしばらくたった後にAさんは
「いつか人の最期をみとるための施設をやりたい。大丈夫だから。なーにも心配しないでいいからと送ってあげる施設を作りたい。」
とおっしゃっていました。
この言葉は私の心に響きました。とても素晴らしいと思いませんか。自分が受けた生を終えるときにお坊さんから「大丈夫だ。何も心配しなくていい」という言葉をかけてもらえたら、何も心配せずに安心してあの世に行けるのではないかと思います。
このエピソードをずっと頭の片隅に残っていて、ある時ついに気がつきました。私のこの行政書士という立場でこの住職のAさんのような考えを実践できるのではないかと。
あとのことは何も心配しなくていいですよ。事務手続きは全部こっちでやっておきますから。」