接客業をしている人に捧げるカスタマーハラスメント対策  会社は守ってくれない!

その他

私自身も以前コールセンターで業務していたこともあり、カスタマーハラスメントを経験しています。言葉の定義としては

顧客が企業に対して理不尽なクレーム・言動をすること

となります。抽象的でわかりにくいとは思いますが順を追って説明していきます。まずカスタマーハラスメントをする人たちの類型を紹介します。

カスタマーハラスメントをする人たち

  1. さびしい人
  2. クレームを付けた後、見返りを受けた経験が豊富な人
  3. 社会に不満を抱えている人

1については深夜などにかけてくる人が多いようです。深夜とかである程度お酒を飲んでいる場合も多いです。そういう時に少しでも人とつながりたいといってかけてくるような感じです。

しかし人とつながりたいと思っていても、コールセンターに電話をかける以上は理由が必要です。そのためサービスに対するクレームという理由で電話をかけてきます。しかし問題の根本にあるのは寂しさであるため彼らは問題を解決してもらうというよりも、長時間話を引き延ばすことを重視しています。そのため同じことを何度も言ったり、または同じ説明を何度も求めてしまったりします。これを接客業をしている中での上級にいない人たちが最前線で対応することになります。

2についてはごねることで得をすることができた経験を持ってしまった人たちです。昔でいう総会屋と同じような立ち位置かもしれません。対応の細かなミスを突くことで謝罪という形の見返りを求めます。この見返りの額については些細と思われるような金額の時もあります。

一般の人はそんな些細な金額のために長時間クレームを入れるなんてコストに合わないと考えるかもしれません。しかしそのクレームを入れる人が一般でなかったとしたらどうでしょうか?何か体か精神の不調で働けない状況の人だと自由に使えるお金は限定されます。しかし謝罪という形で金品を手に入れることができればそれは自由に使えます。そのため2の人においてはクレームをつけることが就労という形態に近くなってきます。

2の人を対応する上級でない接客業の人は、まずは一方的にサンドバッグにされます。理不尽に要求を突き付けられ、そして対応が悪いとののしられます。そしてある程度時間が経過したところで

あなたじゃ話にならない。上席に代われ。

となるわけです。そして決裁権のある上席は対応を早く終えたいがために何かしらの金品で解決しようとします。その彼の認識としては下の者の対応がだめだから、俺が出ることになった。そして俺が対応したから問題は解決した、ということになるのです。

3の人は根本的にストレスを抱えています。そして接客業をしている人は顧客に対して基本的に反論しないのでストレスをぶつけるのに最適です。いくら誤った主張を一方的にしたとしてもそれについてとがめられることはありません。そればかりか相手は自分に寄り添った反応をしてくれます。それである程度は気分がよくなり、日ごろ抱えているストレスが解消されることもあります。しかし同じ人間でも相性の良し悪しというのがあります。相性が悪い人、または自分にとって責めやすい相手だったりした場合には積極的に責めてきます。そういう面で対応する人間にとってはかなりのストレスにさらされるでしょう。

カスタマーハラスメント対策マニュアル 厚生労働省

厚生労働省が作成したカスタマーハラスメント対策マニュアルは非常に興味深いものがあります。そしてこれは企業の聞き取り調査をしていて、どういう対応をする顧客がカスタマーハラスメントしている企業が見ているのがわかります。

企業が考える「これはカスタマーハラスメントかも?」

  • 当初の話からのすり替え、揚げ足取り
  • 一方的にこちらの落ち度に対してのクレーム
  • 自らの要求を繰り返し、通らない場合は言葉尻を捉える
  • 同じ質問を繰り返し、対応のミスが出たところを責める
  • 電話対応での揚げ足取り
  • 長時間の電話

厚生労働省の考えるカスタマーハラスメントに該当するもの

長時間に及ぶクレームは、業務の遂行に支障が生じるという観点から社会通念上相当性を欠く場合が多いと考えられます。また、妥当性がある場合であっても、その言動が継続的・拘束的である場合は、社会通念上不相当であると考えられ、カスタマーハラスメントに該当し得ます。

カスタマーハラスメント問題に取り組めない会社

ある程度の事例があるようにおおよそカスタマーハラスメントの形が見えました。しかし形が見えるからといって会社がすぐに対策に取り組んでくれるわけではありません。顧客の一次対応した従業員が誤ったことを顧客に伝えた可能性があると考えるからです。

カスタマーハラスメントに該当するかもしれない事例として「当初の話からのすり替え、揚げ足取り」というのがあります。相手は意図的にすり替えていきますので、会社側がそれをカスタマーハラスメントと認識するには従業員と顧客の対応を最初から全部聞く必要があります。それをするとなると会社にとっては一次窓口を置いた意味がなく、会社が多くの時間を割く必要があります。そのため会社としてはカスタマーハラスメントに対応するためのコストをかけられないのです。

これが暴言やわいせつなことであれば会社としての判断はすぐにつくので時間はかかりませんが、カスタマーハラスメントをする顧客というのはすぐにカスタマーハラスメントと判断できる内容を口に出さないからです。それらは一方的な落ち度に対しての繰り返すクレームだったり、話のすり替えで相手のミスを誘ってのクレームだったりします。こういったことに対して会社に何ができるかといえば一次窓口で顧客のクレームを一方的に受けるサンドバッグになってもらい、その後、上席対応で「双方、いろいろ問題がありましたが、こういう形で終わりにしませんか?」みたいなことを言うわけです。

会社としてはこういう形で何とか対応できればいいやと考えているかもしれませんが、一次窓口の方はどうなるんでしょう?理不尽なカスタマーハラスメントを受けて何の問題もなく生活できる人ばかりではないでしょう。心に不調をきたす人もいるんではないでしょうか?

昔知り合いから聞いたちょっと面識のある役所の人で、何かのはずみで寝てから目を覚まさなくなったようです。それは死を意味するものではなく単純に起きないようでした。その人はクレームを受け付ける部署にいたように聞いています。それから推測するに極度の精神的なストレスから起きるのを拒否したのではないかと。ここまでいかなくても引きこもりの原因ではこういうこともあるのではないかと思われます。

接客業のソルジャーの取るべき対策

仕事を問題なくできるのであれば続ければいいと思います。中には人に怒られても全く気にならないという人もいます。あるいは何かのストレスの発散で1週間くらいは問題なく動けるという人もいます。

でもそうでなければ仕事を辞めるとか部署の移動願をするとかの手段を選ぶのがいいでしょう。先程のカスタマーハラスメントでの会社の取る対策でもわかるように会社は一次窓口の人をある意味「使い捨ての駒」とか「替えのきくソルジャー」とみなしている節があります。そういったことに対抗するためには自身で判断する必要があります。

心が折れてしまった人へ

ストレスを感じつつ、心を閉ざして先送りをしてしまうと判断することすらできないことがあります。試験管の中のカエルを徐々に熱していくと外に飛び出るきっかけを持てずに茹で上がってしまうように、蓄積されたストレスは自分の身を守る力が弱くなってきます。

そういう方はぜひ当事務所の退職代行をご利用ください。

  • アルバイトやカスタマーハラスメントなどの場合 33,000円
  • その他                    44,000円
  • パワーハラスメントなどの場合         55,000円

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