活用されていない不動産は多いですよね。比較的新しいものだったらすぐに買手も現れると思われますが、築年数が古いものについてはなかなか流通しないようです。
これの原因は大きく二つあります。一つは家主の怠慢です。築古の物件を売るためには家主自体も情報を得ていく必要があります。すべて不動産会社に丸投げなどをしてしまうといいカモになってしまいます。
二つ目の問題は不動産会社自体の問題です。
まず不動産会社が不動産を売ろうとした時にどうするかというとまずは広告です。自身で発行している媒体で紹介したり、チラシを作ったりすることが考えられます。しかし最近ではもっぱらインターネットでの広告という手段を取ることが多いようです。有名どころではホームズやアットホームやスーモなどがあげられます。こういうインターネットの媒体で売りたい物件を載せることによって買い手を見つけるのです。
こういうインターネットを使っての広告にはそれなりの費用が発生します。予算の中でインターネット上に乗せる物件を決めるわけですが、限られた広告枠の中で売れない物件をいつまでも載せることは効率が悪いのでより売れそうな物件を不動産会社は載せることとなります。
ただでさえ築古の不動産に対するニーズは多くはないので1,2か月間インターネット上で載せたくらいでは買主を見つけることはできません。しかし不動産会社として反響がならない物件をいつまでもネット上に載せることはできません。そのような感じで不動産会社は数か月程度インターネット上に載せてその後放置するということになるのです。
不動産会社としては放置をしていても売れることもあります。不動産会社で流通するところで図面を出しておけば、ほかの不動産会社から声がかかることもあります。そのため不動産会社の基本的な戦略としては1,2回インターネット上で広告を載せて、その後はただひたすら待ちの営業となります。
不動産の売却を依頼した時に不動産会社と専任媒介契約を結びますが、この契約により誰かが買主を見つけてくれたら売却を依頼した不動産会社には仲介手数料が発生します。そのため不動産会社は専任媒介契約の更新だけは熱心にやることになります。
そのため家主さんに対しては「築古の不動産はあまり活発な動きはしませんから、気長にいきましょう」とかいうわけです。
このような状況ですとその不動産が売物かどうかなんて一般の人は簡単にはわかりません。ホームズなどのインターネット上でその物件を見ることができなければ売っていないのと同じなわけです。また同業の不動産屋でもずいぶん昔にマイソクで見た、くらいの記憶が残っていればまだましですが、忘れられてしまえばその物件をお客さんに紹介することもありません。
このような感じで建物が利用されない期間が長くなるとどうなるか?ご存じだと思いますが、建物は利用しないでいるとどんどん劣化していきます。そのため放置されたことにより劣化してしまうとそれを再度利用しようとしても修繕に多大な費用が発生します。そのためその不動産を買おうとする人がさらに少なくなってしまうのです。
こういった流れが空き家問題の根本にあるといえるでしょう。
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